2025カレンダー「農村青年社」

八木秋子にとって「農村青年社」は何だったのか。

私は『農村青年社事件・資料集Ⅲ』(全3巻1100p)の「あとがき」の最終行を
◇「事実の記録」が繰り返して読み解かれ、幾たびも甦らんことを切に願う としました。
日付は「1994年11月」でした。

それから30年。アナキズム文献センターが、2025年のカレンダーのテーマに「農村青年社」を取り上げるとは、真に嬉しいことでした。

カレンダーに相応しい「幾つもの写真」と引用された「コメント」を眺めると、これ自体が「農村青年社」活動の歴史をコンパクトに物語っています。発端となった「農民に訴ふ」、主要メンバー、それを支えた人物たち、関係出版物、信州での主要メンバー、彼らとの交流を表わす八木秋子の詩、解説、事件の報道、資料集の全体像、関連年表/検挙者リスト。

【各月内容】
◎1月=「農民に訴ふ」添田晋〔宮崎晃〕
◎2月=宮崎晃
◎3月=鈴木靖之
◎4月=解説(三原容子)
◎5月=星野凖二
◎6月=八木秋子
◎7月=農村青年社関係出版物
◎8月=望月治郎・和佐田芳雄・船木上
◎9月=南澤袈裟松・鷹野原長義・伊沢八十吉
◎10月=「薪の火を焚く」八木秋子
◎11月=農村青年社〝事件〟
◎12月=「農村青年社事件・資料集」
*農村青年社関連年表/検挙者リスト

【仕様】A4横サイズ、28頁、頒価1200円
【発行】アナキズム文献センター

詳しくは、アナキズム文献センターへ。 http://cira-japana.net/pr/

できあがったものは、たいへん配慮がこもったものでした。例えば緻密な「農村青年社関連年表」の2011年の項には『農村青年社事件-昭和アナキストの見た幻』保阪正康 筑摩書房 の刊行(12月15日)とあり、「本書が刊行できたのはこの事件を大切に守っている人たちのその歴史的熱意に負っている」と紹介されています。また2018年8月10日には栗原康編『狂い咲け、フリーダム アナキズム・アンソロジー』(ちくま文庫)に「窃盗の仁義?コミューン起つ」の解説とともに八木秋子「言葉・表現」宮崎晃「農民に訴ふ」(抄)が収録されています。そして欄外に「旧農村青年社の外景」撮影1977年がカットとして載っています。
星野さんを始めとするメンバー一人ひとりが、「農村青年社」とは何だったのかと、個々人の人生をふり返り、まさに「存在をかけて資料集を編もうとした切実な精神」を見る想いがするカレンダーとなっています。そして、私たちが資料集を制作する際に心がけた所を、十分に踏まえたものでした。星野さんを始めとしたメンバーに代わって私は制作者のアナキズム文献センター古屋さんに感謝の気持ちを伝えしました。